のりおの声

2016年4月

 天気が今一つはっきりしませんが、桜の花が満開ですね。日本人に生まれて良かったと実感させられる季節です。
 最近は日本人ばかりでなく、東京でもあちこちで花見を楽しむ外国人の姿を多く見受けるようになってきました。先日タクシーに乗ってラジオを聞いていたら、そんな外国人観光客へのインタビューが放送されていて、今回日本に来たのは、「花見をして、ラーメンを食べるのが目的だ。」と言ってる人がいて、思わず苦笑してしまいました。これを日本の文化が世界に広まっている証拠だと言っていいのかどうか分かりませんが、世の中変わったなあと思わずにはいられませんでした。まあ、逆に日本人がニューイングランド辺りに行って、秋の紅葉でも見て、ハンバーガーを食べるのと同じことかなあと思ったりもしました(昔、自分がやったことがあるのです)。
 それはともかく、政府は2020年に外国人観光客を4000万人にという新たな目標を打ち出しました。目標はいいのですが、問題も多々あります。一つは空港、もう一つは宿泊施設でしょうか。空港は特に東京は羽田も成田も受け入れの限界に近づきつつあります。地方の空港を使ってもらうには税関や出入国管理の体制も十分ではありません。それと宿泊施設。最近、やたら民泊が取沙汰されていますが、欧米でやられているいわゆるエア・BアンドBというのは個人の家の空き部屋を朝食付きで利用させるというもの。日本のように、使っていないマンションを部屋貸しするというのとは大分違います。日本でやっていることは管理や治安の面からも問題が大きいかもしれません。よくよく使い方を考えないと思わぬ問題を引き起こす可能性があると思います。
 いずれにしても、こういう形で否応なく日本にも国際化の波が押し寄せようとしています。外国人や異文化との接触は往々にして摩擦や軋轢を生じがちですが、様々な形で外国と付き合っていかざるを得ない以上、いかにして偏見や拒絶反応を克服していくかが問われることになるのではないでしょうか。外国語の習得ももちろんですが、本当に必要なのは日本人の心のグローバル化なのではないでしょうか。
 この国の将来を左右する大きな要素がそこにかかっているような気がして仕方ありません。満開の桜の花を仰ぎ見つつ、そんなことを考えている今日この頃です。

2016年3月

 ようやく春めいてきましたが。春先らしい不安定な天候が続いていますね。
 さて、伊勢志摩サミットの開催まで3か月を切り、地元でもいよいよ気運が盛り上がってきたような気がします。なんとしてもこれを大成功させて、伊勢志摩を世界に発信していきたいと思いますので、地元の皆さんのご協力を切にお願いしたいと思います。
 ところで、国会では衆議院議員の定数改定の話がかまびすしくなってきています。どういう方式で見直すのかまだ確定はしていませんが、どのように見直しても、わが三重県は定数が一つ減らされることは間違いありません。
 個人的には、議員定数をその時々の人口だけで決めてしまっていいのかという気はします。国会議員は国政を担うというのはもちろんですが、地域の代表として地域の意見や要望を国に伝えるという役目もあるはずです。
 このままでは都会の議員定数ばかりが増えて、地方の議員数はどんどん減っていくということになってしまいます。都会の選挙区では、ある選挙から次の選挙までの間に人口の何分の一かは入れ替わってしまうと言うところも少なくありません。そういう人たちにとって、国会議員は自分たちの地域代表だという意識がどれくらいあるのでしょうか。残念ながら、現行の憲法では人口以外の要素を考慮するような体系にはなっていません。
 日本で地方の衰退が叫ばれ始めてから、どれくらい経つでしょうか。政策面でも地方創生や地域振興の重要性が取り上げられて久しくなります。なかなか特効薬がなく厳しい状況であるのは事実ですが、ここであきらめる訳にはいきません。都会だけで国が成り立っている訳ではないのですから。
 本来なら、憲法改正論議はこの問題から始めてもいいくらいではないでしょうか。今、世界中がいわゆる格差の深刻な問題に直面しています。それは、所得の格差であったり、資産の格差であったり、あるいは世代間の格差や男女間の格差であったりですが、もう一つ地域間の格差もあることを忘れてはいけないと思います。議員定数に関して言えば、都会の方が一票の価値が軽すぎて格差があると言われるかもしれませんが、経済や利便性の格差は歴然としているのですから、なんらかの方法でバランスを取る必要があるんだと思います。議員定数と関係ないと言われるかもしれませんが、地方の声を国政に反映させるためにはやはり議員の数は無視できない大きな要素の一つだと思います。
 地方は都会に従属するために存在しているのではないし、また今は都会で生活している人の多くが地方の出身者だということも忘れてはならないのではないでしょうか。
 都会と地方がバランスよく共存してこそ国家は存立していけるのだと思います。

2016年2月

 国会は甘利前経済財政担当大臣の辞任劇がありましたが、予算委員会もそれほど遅れることもなく、来年度予算の審議が進められています。
 他方で、経済は中国経済の低迷や原油安等の影響がじわじわと日本経済にも影響を及ぼしつつあります。そうした中、日銀がマイナス金利を決定しました。企業の投資や個人の消費が思うように増加しないために、金融機関が日銀に預ける預金の金利をマイナスにして、市中にお金をもっと回して消費や投資を刺激しようということだと思います。ただ、人口減少や高齢化が進み国内の需要が中々増えない中で、金融政策での対応は限界もあると思います。
 総じて、高齢者よりは若い人の方が消費にお金を回す割合は高いものです。ですから、理屈の上では若い人たちにお金を回すようにすれば消費は増えるし、それに応じて企業も投資を増やすかもしれません。では、財政政策や税制改正で若い人に早くお金が回る仕組みを作ればいい、ということになるのですが。
 ところが、若い皆さんと話をしていると、まあ、そんなに欲しいものはありませんとか、お金があれば老後に備えて貯金をするとか、収入もそこそこあればいい、といった答が返ってきます。生まれた時から、物はほぼすべて揃っているし、あくせく競争をして、わずらわしい人間関係に悩んだり、ストレスを溜めたりするより、そこそこの暮らしができればいいと考えている人が増えているように思えます。長引くデフレ状況の中で育ち、そんなに贅沢はできなくても物質的には飢えることも寒さに凍えることもなく育ち、外の世界との関係は対面する人間関係ではなく、パソコンやスマートフォンを通じてつながっている。今一番我々が考えないといけないのは、若い人たちが漠然と抱いている、将来に対する不安と不満、これをどうしたら取り除くことができるのかということではないでしょうか。
 人間の心の中には、誰でも、自分のためだけではなく、誰かのために役立ちたい、誰かから必要とされたいという思いがあるのではないかと私は思います。人間を社会に出ていこうという気にさせる推進力はそういうものだと思います。
日本人がそうした気持ちになれるかどうかは、経済政策だけでは難しいし、そんなものではもう日本人は心を動かされなくなっているのかもしれません。古臭く聞こえるかもしれませんが、名誉や人のために役に立ちたいという自己犠牲の行為に大きな価値があるということに今一度思いを馳せる時期に来ているのかもしれません。それは誰の心にも必ずあるはずです。
 最後は結局教育ということなのかもしれません。二十年かかろうが三十年かかろうが、それをやる価値はあるのではないでしょうか。

2016年1月

 皆様、明けましておめでとうございます。ぽかぽか陽気の異常なほど暖かいお正月でしたが、いかがお過ごしでしょうか。
 今年はいよいよ地元伊勢志摩で先進国首脳会議、サミットが5月26、27日に開催されます。なんとしてもこれを大成功に導き、伊勢志摩を世界に向けて発信していきたいと思います。
 しかし、世界を眺めてみると、テロの頻発や経済の不安定化など決して楽観できる状況ではありません。欧州ではテロと難民問題、そしてユーロ圏の揺らぎ、ロシアとの確執等。中東はISへの対応に加え、サウジアラビア他とイランとの対立。アジアでは中国経済の失速や南シナ海問題、北朝鮮の核実験等々。アメリカでは昨年12月の金利引き上げにより、世界経済の潮目が変わろうとしています。これまで世界中にばらまかれてきたドルが収縮の方向に向かい、新興国は中国経済の影響もあって苦境に立たされるかもしれません。これまで実物経済とはいささか遊離した動きを見せていた株価や商品価格も影響を受け始めるかもしれません。日本経済は比較的順調に推移してきていましたが、いずれ近いうちにこうした国際経済の変化に晒されることになるでしょう。
 私は、こうした時こそ、日本は国内の足腰をもう一度鍛え上げる必要があるのではないかと思います。特に、地方と若い世代の人達が前向きに生きていける環境を作り出すことが急務ではないでしょうか。
 地方は人口減少と高齢化に七転八倒しています。若い世代は自信も希望も意欲も諸外国と比べて格段に低い状況です。平成26年の内閣府の若者の意識調査を見ると、例えば、自分自身に満足している人の割合は、日本は45.8%なのに対し、最高のアメリカは86%、日本の次に低い韓国でも71.5%です。また、「うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組むか」との問いに対しては、日本52.2%、次に低いスウェーデンが66%、一番高いフランスは86.1%となっています。他にもいくつかの項目がありますが、総じてこうした傾向が顕著になっています。問題は何故こうなってしまったかです。
 地方の問題と若者の問題は一見別物のように見えますが、私には根っこは同じように思えます。成熟国家として生活水準がある程度のレベルに達し、物質的には本当に欲しい物はがないとか、都会に行けば楽しいことも多く、煩わしさも少ないとかもあるでしょう。もう一つは自由になった結果、疎外感や孤独感を味わう羽目になったこともあるでしょう。
 二つの問題を同時に解決するのは難しいかもしれません。が、若い世代は一度、地方で仕事、それも農業でも漁業でも林業でもいい、肉体労働をしてみてはどうでしょうか。政治はそれを支援すべき時に来ているのかもしれません。
 年の初めに感じさせられたことでした。

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